ダモ鈴木死去、そしてObjekt + CCLへ

Stradaのお客様で飲み友達でもある神戸在住のDJ/レーベル主宰者ushiro氏によるクラブ活動レポをお届けします!



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2/11(sun) VCR feat. Objekt & CCL @West Harlem

Vís、Chanaz、Ryogoが主宰するパーティー”VCR”のVol.2が、ベルリンを拠点に活動するObjektとCCLをゲストに迎えて京都のWest Harlemで開催された。これは両アーティストにとってアジアツアーの最終公演となっている。



ObjektはStrada recordsで作品(Objekt / Objekt #4)を購入した事があり、その存在を知っていた。
また京都の友人でもあるDJ traumennから推薦されていたのでいつか目撃したいと思っていた。

Objekt / Objekt #4


そんな京都でのパーティーに期待を寄せていた矢先に、Irmin Schmidt、Holger Czukay、Jaki Liebezeitらを擁する旧西ドイツが生んだ伝説的なロック・バンドCanの元ヴォーカリストだったダモ鈴木氏の訃報が入る。
僕はCanの事が好きで、ダモ鈴木氏に関してはかつて大阪へLiveを観に行った事があったのでとてもショックだった。


ドイツが誇るバンドCan。Objekt & CCLがドイツから来日しているということで、僕は心の何処かでダモ鈴木氏を彼らに投影していたのかもしれない。


日付が変わった頃に京都は木屋町のWest Harlemへ訪れるとフロアは既に超満員だった。
Clubber達の熱気により湿度が高く、ステージの後に位置する窓ガラスは全面的に曇っていた。Chanazがその窓に即興で描いたイベントのレタリングが可愛かった。

 

僕はイエガーのショットにハイネケンをチェイサーとして胃へと流し込んでいた。そのセットを2杯程飲んだ頃にObjektとCCLが現れた。
寡黙な雰囲気のObjektに対し、CCLの穏和な情調が丁度よく混ざり合っており、BtoBでのDJプレイは終始楽しそうに行われていた。


数曲繋いだ後にObjektのターンで聴き覚えのあるサイケデリックなドラムと、それに乗せた気怠そうなVo.の曲が流れた。

I saw mushroom head.
I saw mushroom head.
I saw mushroom head.


瞬時にCanによる1971年の名盤「Tago Mago」に収録されている「Mushroom」であることが分かった。ダモ鈴木氏への追悼だろうか。ツアー中でありながら早々に手配された献盤に大きな感動を覚えた。

Can 「Tago Mago」LP


個人的にKrautrockは実質の所ダンス ミュージックだと思っている。
こういったクラブでプレイされていても違和感がないということを改めて実感した瞬間でもあった。

変則的なドラムのビートがスパイスとなり、その日のWest Harlemの空間を優しい風味で包み込んでいた。
そうしてドラムキットの音はデジタルな四つ打ちへと繋がれ、またTB-303のacid な装飾を纏い深い夜へと潜っていった。

 

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 Text & Photo by ushiro  

https://lit.link/tecchu

 音楽レーベルTecchu Co.,Ltd.を運営する神戸在住のDJ兼 航海士。

2024.05.03-04に大阪で行われる野外フェスMemories of the Futureのスタッフでもあり両日共DJとして出演予定。
レーベルとしてはお抱えartist ”Ku’damm”の新曲を絶賛レコーディング中。

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