1984年に劇場公開され、多くの人に愛されてきたTalking Headsによる絶頂期のライヴ・パフォーマンスを収めた映画「Stop Making Sense」が4Kリマスタリングされてあらためて劇場公開されています。
FunkadelicのBernie WorrellやWest Endからのガラージ・クラシック「Serious, Sirius Space Party」で知られるEdnah Holtらがサポート・メンバーで参加しているのも見逃せないこのライヴ、今回はStradaのお客様で飲み友達、そして関西と九州の2拠点で活躍しているDJ AKIHISA氏による同映画のレビューをお届けします!
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-1970年代。ニューヨーク・パンクのムーブメントの中、結成されたTALKING HEADS。彼らの代表曲でもある"Psycho Killer"でこの映画は幕を開ける。
1983年12月、ハリウッド・パンテージ・シアターでの前衛的でかつアーティスティックな伝説的な夜のライブパフォーマンスが楽しめる映像作品♪
そこに映し出されるのは音楽同様にミニマルなステージセットの中、フロントマンである David Byrneがライトグレーのぶかぶかのスーツに身を包み、コミカルでかつ、どこかシニカルな動きをするパフォーマンスである。
2曲目の"Heaven"はTALKING HEADSにしては珍しいアコースティックギターによる作品。天国にある夢のようなBarの曲。
私が20代の頃、神戸の港近く、栄町に毎日のように通い詰めたワインレッドのインテリアが象徴的なDEEPというBARはそういう憧れの場所でもあり夢のような毎日を楽しんだ場所だった。ここで私は60年代と思われる雰囲気のあるヴィンテージのテレビで映し出されたこの"STOP MAKING SENSE"の原作と出会い、そして店内では"Heaven" がベースのTina Weymouthとのデュエットで二人の美声で響き渡る時間を楽しんだ。そんな楽しかった記憶を巡らせながらも映画は進行していく。
中盤には映し出される街の風景をみながら"This Must be the Place"でシンセポップにゆったりと浸り、この流れでHit Singleの"Once in a Lifetime"へと導かれる。
ここで一息つくTALKING HEADSに対し、Tina WeymouthがヴォーカリストとしてTom Tom Club名義でメンバーがちゃめっけたっぷりのLyricが楽しい"Genius of Love"を披露。もうこれだけで充分なくらいの満足度をここでチャージ。
そしてフロアの熱量が増したところでTALKING HEADSのライブ再開!African BeatやRock'n'Roll、Punkなど様々なジャンルの音楽をNew Waveサウンドとして昇華されたSynthe Popにシニカルでどこか脆弱で病的なDavid Byrneが放つメッセージ性のあるLyricが融合。曲が進むにつれてBPMも加速。パーカッションやシンセが走りだす。終盤の"Take Me to the River"の頃にはフロアは最高潮!ライブならではのオーディエンスの歓声、揺れる熱狂的なフロアが映し出され、ふと映画を見ている自分の身体が揺れていることに気づく。
- TALKING HEADSがバンドとしても黄金期とでも言うべき最高なライブパフォーマンスを切り取った映画が、40年の時を経て4Kレストア版として今回登場し実際にTheatherでこの映画を体感したが、音はクリアに柔らかい広がりを感じ、原作より映像はより鮮明に。
New WaveシーンをNew Yorkからリードしていた1984年のDavid Byrneの目指した形が、40年後の今を見据え 4Kレストア版でようやく実現したのであれば、彼の才能はさらに予測不能であり、そんな彼こそが完璧主義の"Psycho Killer"であることを、この映画が証明している。
ただただその才能には脱帽するばかりである。どこか病的なあの変なダンスにあなたが病みつきになってきたら、この映画リピート確定です!ぜひお楽しみください‼
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https://www.instagram.com/djakihisa
1998年福岡にて始動。現在は神戸とhometown福岡県北九州市との2拠点メインでDJとして活動。60s以降のOld American Rockやめんたいロック、New Wave、80s Pop Cultureにルーツを持つ。SKA、REGGAE、SOUL、JAZZ、FUNK、LATIN、AOR、DISCO、City PopなどVintage Soundから現行のものまで様々な音楽的要素を織り交ぜ、緩急自在にひとつのDANCE MUSICをつくりあげていくようなミックススタイルを追求し続けている。
近日の出演予定
2/24 Fuaim @小倉record & bar Gaku
3/9 Big Apple @神戸Halftime
2 comments
STRADA店主
前回のブログ投稿から日が空いてしまい、コメントに気付くのが遅くなってしまい大変申し訳ありません・・・!コメントが投稿されても通知とかがないんですよね(涙)
(設定できるのかな・・・)
「Stop Making Sense」のセットリストは以下の通りですので、"Once in a Lifetime"の前は"This Must Be the Place (Naive Melody)"ですね。
1. “Psycho Killer”
2. “Heaven”
3. “Thank You for Sending Me an Angel”
4. “Found a Job”
5. “Slippery People”
6. “Burning Down the House”
7. “Life During Wartime”
8. “Making Flippy Floppy”
9. “Swamp”
10. “What a Day That Was”
11. “This Must Be the Place (Naive Melody)”
12. “Once in a Lifetime”
13. “Genius of Love”
14. “Girlfriend Is Better”
15. “Take Me to the River”
16. “Crosseyed and Painless”
何度でも見たいライヴ映画ですね!
吉田圭佑
初めてまして吉田圭佑と申します。
アメリカンユートピアで衝撃を受け、元ネタになったこの映画を友達に勧められて観てきました。
1980年代の音楽は好きで聴いていましたが、TALKING HEADSのような私の言葉では表現しようもないジャンルがあるなんて本当に驚きです。
デイビッドバーンは素晴らしいエンターテイナーですね。
ONECE IN A LIFETIMEの前に演奏された曲がとても気に入りました。
曲のタイトルを教えてもらえますか?